理系講師の人生振り返り

60歳前で始めた「最後のブログ」

2024-08-01から1ヶ月間の記事一覧

退職を考えなかった理由

新卒採用下さった会社で2年働いたら地元へ帰ろうと考えていた。しかし、はじめて退職を考えたのは入社後5年目だった。 なぜ、そんなに続いたのか。 良い出会いが沢山あったからである。 サービス技術部門の新入社員研修は高卒、高専卒、中途採用が集まったク…

研修終了後のクラスマネージャーからの学び

新入社員の技術基礎研修でお世話になったクラスマネージャーも、1年後くらいにはインストラクター経験を積んで地元に戻って技術課長になった。 あるとき、配属先のお客様で地方拠点の作業があった。担当技術課に電話をすると、出たのは技術課長になったクラ…

先輩技術員の知恵を受け継ぎ、進化を極める

新入社員研修では、同期入社の技術員たちが配属される全国の技術課で、共通して保守をすることになるテープ装置、印刷装置、磁気ディスク装置の技術研修を受講した。 全国の拠点に配属されたお客様で実作業経験を積み重ねた同期の技術員たちは、その後、それ…

電流の正体:電子の移動と電気量の測定

正(プラス)の電荷が正極(電源のプラス)から負極(マイナス)に向かって導体内を移動することを電流と定義した。それが200年くらい前のことである。しかし、その後、電流の正体は負(マイナス)の電荷である電子の移動であることが発見された。そして電子…

電気理論と力学の関係

電気理論は高校物理で学習する力学の理論に大変似ている。 地球上には万有引力がある。ニュートンが木からリンゴが落ちるのを見て・・・という、あの法則である。 電気理論では、地上という場所や世界ではなく、理学的には「電場」、工学的には「電界」とい…

ポケットベルの思い出 その2

先輩たちはポケットベルを上手に使っていた。24日365日体制のコールセンターも社内にあったので、忘年会の時期は大変重宝した。 お客様と信頼関係を構築し深めるためには、飲みながら本音を聞くことができる忘年会は良い機会だった。 入社1年目の12月から、…

ポケットベルの思い出 その1

1986年の7月に新入社員研修が終わり、技術課へ配属されたときに受け取ったのは「名刺」と「ポケットベル」だった。 「ポケットベル」は音が2種類のタイプだった。長い音と、短い音を鳴らすことができた。液晶に文字が表示できるようになるのは、更に数年後で…

テープ装置の間欠障害を解明! 1986年秋その7

先輩技術員はテープ装置の間欠障害が発生するたび、原因となる可能性が高い順に、テープ装置の部品を交換した。 ついに交換すべき部品が無くなった。それでもトラブルは繰り返し発生した。 そのトラブルをシステム支援担当スペシャリスト2名が徹夜作業で再現…

鮮やかな原因究明 1986年秋その6

技術員の先輩が、トラブルが発生するたびに呼ばれた。 しかし到着すると、トラブルが発生したはずのテープ装置は、いつも普通に動いていた。 テープ装置のマニュアルで発生したトラブルから原因を推定した。そして、トラブル発生の原因となる可能性の高い部…

深夜の障害特定作業 1986年秋その5

中型システム支援担当のスペシャリストは、システムテストプログラムの磁気テープを持って来た。 全国支援レベルのスペシャリスト二人が、間欠障害の原因究明を新人技術員の目の前で開始した。原因究明作業中は新人技術員の出番は全くない。見ているだけだっ…

間欠障害発生 1986年秋その4

間欠障害は先輩が担当するお客様で発生していた。 テープ装置が稼働中に突然停止するというトラブルだった。 担当技術課での復旧は困難と判断され、技術部から技術本部へ支援要請が行われた。 指導係の先輩の年齢は、先輩8名の中で下から2番目だった。しかし…

間欠障害について 1986年秋その3

トラブル修復の作業報告書の書き方は、新入社員研修で教わった。 複写式の報告書には、障害種別のチェック欄があり「間欠障害」という記載があった。 「間欠障害」、英語では"intermittent error"である。つまり、コンピューターシステムのトラブルではある…

寛容な時代のテープ装置修復エピソード 1986年秋その2

配属されて数ヶ月後、同期入社の技術員がテープ装置の障害修復でお客様へ向かった。その頃には、テープ装置の障害修復は新人2名の担当になっていた。同期の技術員が会社を出たのは夕方前だったが、夜8時になっても原因が分からなかった。同期の技術員はテー…

先輩たちとの仕事の日常 1986年秋その1

新卒で配属された技術課には、課長の他に8名の先輩がいた。そこへ基礎研修を一緒に学んだ同期1名と共に配属された。副主任技術部員1名、先任技術部員6名、1級技術部員1名、そこに2級技術部員2名が加わった。担当するお客様でシビアな現場を経験させてくれた…

責任を負う覚悟とチームワークの重要性 1986年夏その6

新人技術員ひとりで、最悪のケースが想定されるお客様へ向かわせた。令和の現代、これは先輩技術員による「過剰な要求」と判断する者もいるかもしれない。しかし、携帯電話がなかった当時、先輩技術員が一緒に向かってしまうと、移動中は担当SEと相談ができ…

先輩技術員の経験に基づく対応 1986年夏その5

はじめて深刻なトラブルの現場へ投げ込まれた。先輩技術員は経験の積み重ねから、現場状況をほとんど把握していた。新人技術員に経験させるため、ひとりでお客様へ向かわせた。SEも経過時間による情報共有で来たのではないと今では思う。新人技術員の移動中…

先輩技術員とSEの連携 1986年夏その4

一緒に到着した担当営業と先輩技術員は、お客様の担当者に挨拶をして現状報告。そして、担当SEと3人でどこかへ消えた。消えてしまった直後に、交換用の新しいハードディスクドライブも到着。同時に、装置に使用されている論理基板のすべてが収納されたトラン…

チームの協力と情報共有 1986年夏その3

はじめての経験で困っているとき、現場に来たのは担当SE(システムエンジニア)だった。トラブル発生から相当時間が経過したので、営業部のシステム課にも情報共有がされた。社内規則による情報共有で来てくれたと、そのときには思っていた。到着したSEは状…

シビアな状況: ハードディスクドライブの深刻な障害 1986年夏その2

先輩技術員から「いいから行ってこい。その代わり何かあったらすぐに電話をしろよ」と言われ、お客様に到着すると、現場の状況は深刻だった。メインフレームに接続されたハードディスクドライブのトラブルだった。最初は一部のデータの読み書きができなかっ…

新入社員の挑戦と成長のはじまり 1986年夏

新入社員研修の修了式会場の喫煙所であった「現場じゃ直らないぞ」発言は、会場内で瞬く間に広がった。 しかし、それが真実であることを、多くの修了生が知るまでに、そんなに時間はかからなかった。 現場配属後、最初の内は先輩と一緒に移動する。その内現…

人材育成の重要性と経験の積み重ね

入社当時の人事制度で、現場の第一線の所属長である技術課長になる前提条件は、副主任技術部員として、係長格の職務で経験を積み重ね、主任技術部員になることでした。 主任技術部員になった後は、部門研修に異動して、後進の育成業務を経験し、出身技術部に…

研修後の配属先でチームプレーの重要性を教わる

入社後3ヶ月余りの新入社員研修が終わり、予定されていた事業所へ配属されました。その1ヶ月くらい前には配属部署も決まり、所属長との面談もありました。所属長は大学時代ラグビー部所属で、現職に就く前は開発製造部門でシステム製品開発を担当されていた…

生活環境の変化と健康への影響

就職をして世帯主になり、親の扶養からはずれて、会社の健康保険組合に加入しました。当時の健康保険制度の本人負担割合は1割でした。その後、1997年に2割、2003年から現在の3割へと上昇して現在に至ります。 学生時代から「十二指腸潰瘍」で胃カメラ検査を…

理想状態からの学びと知識の積み重ね

理系講師の現在、自分自身が高専で数学が理解できなくなった原因と想定される「十二指腸潰瘍」は、就職した後も繰り返し発症しました。 自然科学に分類される教科は、自然現象を数式に置き換えて整理し、数式に基づいた再現性を確認しようとします。 そのた…

空き巣被害と隣人の思いやり

空き巣に入られましたが、何も盗まれませんでした。引っ越したばかりの部屋には、寝具以外、何もありませんでした。 それを見た隣の部屋の住人が「カーテンくらい付けなきゃダメだよ」と教えて下さり、「無いならあげるよ」と、気持ち良く下さいました。 そ…

空き巣被害、都会の怖さを知った現実

入居したアパートから歩いて1分くらいの所に交番がありました。 部屋は1階の2号室でしたが、南側にはベランダも付いていました。日中は外出していても、忍び込もうとする人がいれば道から見えるし、交番も近い、まさかベランダを乗り越える泥棒もいないだろ…

20歳の春、新生活のはじまり

東京へ着いたらアパート近くの不動産屋の支店で鍵を受け取ることになっていました。しかし、到着当日は受け取れなかったのでホテルへ宿泊。翌日、鍵を受け取って、無事入居することができました。 新築アパートだったので内装もきれいでした。アパートの前に…

高専を卒業して東京へ

高専入学後5年目の学年末試験、例年のことながら追試験最終日まで試験を受けさせて頂きました。 追試最終日の翌日が退寮日でした。翌日、故郷へ帰り、卒業式に出席できるかどうか、追試結果を待つことになります。 結果は無事卒業決定、そもそも卒業見込がな…

入社後の住居選びで卒業前に上京

卒業が決まる前でしたが、地方出身学生向けに、本社人事から住宅斡旋のお知らせが届きました。 書面には東京本社へ指定日時に来るように書かれていました。その時点で配属部署は決まっていませんでしたが、配属事業所は決まっていました。 父に報告したとこ…

採用部門から勤務希望部門への異動が入社前に決定

高専5年生、最後の冬休みが終わって登校すると、学級担任から呼ばれました。 冬休み中にA社の人事担当者から電話があり、本人も希望をしているので、開発・製造部門採用から、サービス技術部門採用に変更したいという内容だったので、学級担任は「本人の希望…