理系講師の人生振り返り

60歳前で始めた「最後のブログ」

ポケットベルの思い出 その1

1986年の7月に新入社員研修が終わり、技術課へ配属されたときに受け取ったのは「名刺」と「ポケットベル」だった。

ポケットベル」は音が2種類のタイプだった。長い音と、短い音を鳴らすことができた。液晶に文字が表示できるようになるのは、更に数年後で、2種類の音が鳴らせるのが入社した時期の最新型だった。

ある先輩が飲み会で話していた。「どうも俺のポケットベルは調子が悪い」。噂では休日や夜間、ときどき連絡がつかなくなる、地方勤務の先輩だった。配属された技術課の先輩ではない。配属先の先輩は必ず連絡がついた。勤務時間外に来ると言っても来なかっただけである。

今のように勤務時間管理も厳しくなかった。「まあまあ」で許される時代だった。だから、働く側もある程度裁量で働いていたし、管理する側も寛容さを持っていた時代だった。