理系講師の人生振り返り

60歳前で始めた「最後のブログ」

鮮やかな原因究明 1986年秋その6

技術員の先輩が、トラブルが発生するたびに呼ばれた。

しかし到着すると、トラブルが発生したはずのテープ装置は、いつも普通に動いていた。

テープ装置のマニュアルで発生したトラブルから原因を推定した。そして、トラブル発生の原因となる可能性の高い部品を交換し続けた。

テープ装置の部品を交換し続けても、同じトラブルは間欠的に繰り返し発生したのだった。

システム支援担当のスペシャリストは、テープ装置単体で原因究明をしようとはしなかった。

実際はシステム稼働中に時々発生していたトラブルだった。だからシステム停止が可能な業務終了後に、テープ制御装置経由でテープ装置を動かし続けたのだった。

トラブルが発生した後のシステム支援担当スペシャリスト2名による原因特定作業は美しかった。新人技術員には真似のできない鮮やかさがあった。来た甲斐があったと思った。