理系講師の人生振り返り

60歳前で始めた「最後のブログ」

CMOS技術の登場と電力削減

40年位前、電子計算機や入出力装置の電子回路に利用されていた半導体は、バイポーラトランジスター技術を応用したものでした。

消費電力の60%以上が熱として排出されていたと記憶しています。

あるプロジェクトでは、複数の電子計算機メーカーでシステム構築を行っていましたが、ある日の定例会議で消費電力と排熱量が議題になり、どのメーカーの回答も大きな差が無かったように記憶しています。

別のあるお客様での自主的な調査では、中型汎用システムの電子計算機の床下温度が24℃、電子計算機内部を通過して排出された温度は40℃を超えていたように記憶しています。

当時の大型汎用システムの電子計算機室(現代のサーバールーム)には空気調和設備(エアコン)の他に、冷水装置(チラー)が設置され、一定温度に保たれた冷水が、電子計算機内部の電子回路と間接的に配管で接続されていました。

余談ですが、大型汎用システム機器の中には、商用電源でモーターを回転させることにより、商用電源よりも高い周波数の電力を発電して、CPU回路に電源供給をする電源装置もありました。

それが1990年代前半から、パイポーラタランジスター技術に代わって、CMOS技術を応用した電子計算機が開発製造され、低コストで高性能、消費電力も抑制され、排熱量も低下する方向へと動いたのです。