理系講師の人生振り返り

60歳前で始めた「最後のブログ」

異動が決まり転職を中止

転職を考えた企業の採用担当は、外資系化学メーカーを定年退職した創業者2名だった。

技術担当役員が社長、営業担当役員が専務だった。

専務は野球が大好きで、定年退職後は時間の余裕ができて野球ができるようになったことを喜んでいた。

社長はものづくりが大好きだった。見学に行った工場には、半導体のインゴットを製造する装置が複数台あった。社長の手作りだった。

社長は工場見学の後も食事に誘ってくれた。仕事の様子を聞いてくれた。課長からの退職慰留も正直に話した。

社長が転職を急がせることは決してなかった。

居心地の良い2社の間で心が揺れ続けた。

働いていた会社の所属部門で新規事業が立ち上がった。立ち上げたのは入社時の技術課長だった。新規事業を担当する技術本部組織へ技術課から異動することで決着した。

それから何年か経って、転職予定だった企業は、総合電機メーカーに合併された。